みなさん、こんにちは!
少しずつ夏の計画を立て始めているまうずです。
海外に旅行する場合、そろそろ航空券を取り始めないと、
チケットが高くなってしまいそうです。急がねば!
さて、今回はイラク出身の著名な建築家、ザハ・ハディドをご紹介します。
2020年の東京オリンピックに向けた新国立競技場の設計監修を手がけていた方です。
知っているという方も復習がてら読んでみてください〜
生い立ち
彼女はイラクのバクダッドにリベラル系政治家の父の下、1950年に生まれました。
その後、レバノン・ベイルートのベイルート・アメリカン大学で数学士を取得し、英国建築協会付建築専門大学(AAスクール:Architectural Association School of Architecture)で建築を学びます。
このAAスクールというのは、1847年にイギリスの建築協会が設立した専門職養成機関でありながら、大学・大学院の修了資格も得ることができる教育機関です。
この学校の修了には5年かかり、様々な設計課題をこなす中で彼女は建築的な素養を身につけていきました。
1977年に卒業すると、同スクール出身のレム・コールハースの設計事務所で3年ほど勤務し、1980年独立して数々の優れた作品を残していくことになりました。
その後、ほどなくして彼女は特徴的な曲線を用いた建築設計で一世を風靡し、2004年に建築のノーベル賞と呼ばれるプリツカー賞を女性として始めて受賞しました。
代表的な建築物
では、次に彼女が設計に携わった代表的な建築物を紹介していきます。
彼女を有名にしたのはスポーツ施設と再開発に伴うリノベーション施設だと考えられます。順に見てみましょう。
スポーツ施設
やはり、日本人にとってザハ・ハディドといえば、新国立競技場の設計でしょう。
設計自体は当初日建設計という設計事務所が担当し、彼女がそれを監修するという方針でした。
しかし、彼女が設計した建築のコストは他の案を大きくしのぐもので、その是非が議論を呼びました。
結果、彼女の案は白紙となり、コンペが再開催されることとなってしまいました。
当然、これまで実現したスポーツ施設もあります。
例えば、以下のロンドンのアクアティクス・センターです。
この施設は2012年のロンドンオリンピック・パラリンピックの際に、使用されたものです。
この施設は写真からも分かるように、天井の中心部が曲線を描きながら低くなっています。
彼女は、設計した建築物の多くで曲線を活かしたデザインを用いたので、「曲線の女王」とも呼ばれています。

再開発に伴うリノベーション施設
次に、リノベーション施設です。
特に、件数としては中国、韓国の物件が多いです。
例えば、韓国・ソウルの東大門デザインプラザが有名です。
この施設は「デザイン・創造産業の発信地」をモットーに建立された、複合文化スペースです。
この施設には、コンサートホール、博物館、多目的ホールなど文化の中心地としての役割を期待されて設計が依頼されました。
現在、この施設ではコンベンションや展示、公演、ファッションショーが行われており、ソウル市民だけでなく、観光客からも親しまれているスペースになっています。

突然の死去とこれから
みなさんの記憶にも残っているかもしれませんが、彼女は新国立競技場の差し戻し議論が活発だった2016年3月にアメリカのマイアミで亡くなりました。
しかし、ザハ・ハディド設計事務所には、弟子が多くおり、彼女の設計を引き継いで仕事をしています。
特に、事務所設立を一緒に行った共同代表のパトリック・シューマッハを中心に仕事が継続されています。
最後に
今回は中東地域出身の稀代の建築家、ザハ・ハディドをご紹介しました。
新国立競技場の他にも多くの特徴的なデザインの建築物を設計してきたことが分かるとおもいます。
記事の都合上、紹介できない建築物もたくさんありますので、ぜひインターネットで彼女の他の作品もチェックしてみてください。
<参考文献>
・Margherita Guccione, ”Zaha Hadid”, Milan : Motta, 2010
・ロンドン・アクアティクスセンターHP(https://www.londonaquaticscentre.org/
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