こんにちは!
日本では春の陽気が続く、一年の中で最も散歩にうってつけの季節ですね!
川沿いの桜並木を見ながら散歩することがマイブームになりつつあります。
さて、今回はまうずが最近鑑賞した映画を紹介したいと思います。
今回紹介する映画は「セメントの記憶(Taste of Cement)」です。

どんな映画なの?
この映画は高層ビルの劣悪な建設現場で働く、シリア人移民・難民労働者のドキュメンタリーです。
舞台はかつて長い内戦を経験したレバノンのベイルート。
建設ラッシュで高層ビルが次々と建設されているベイルートで、夜間の外出は禁止され、虚を見つめながら働くシリア人労働者の日常を描いています。
監督は、元シリア兵のジアード・クルスーム。
彼は2010年、シリア政府軍に徴兵され、激化していく内戦をその目で見続けてきました。
2013年、ベイルートへ亡命し、この「セメントの記憶」の撮影を始め、2017年にこの映画を完成させました。
この映画の映画関係者からの注目度は高く、世界60カ国100以上の映画祭で紹介され、30以上のグランプリを獲得しています。
どこで見れるの?
日本では、3月23日から全国11カ所での上映が順次開始しています。
首都圏では、東京1カ所、神奈川2カ所の劇場で上映されています。
早速、私は東京で唯一上映している「ユーロスペース」で鑑賞してきました。
場所は、渋谷駅から徒歩約10分です。

このユーロスペースは、ドイツ語で「映画の家」という意味の「KINOHAUS」というビルの3階に入居しています。
3階にあがってみると、下の写真のようにモダンな待合スペースが現れます。
シアターは2つあり、セメントの記憶はシアター1での上映となっていました。

また、下の写真から分かるように、厳選された映画が時間帯をずらして上映されています。
インターネットで事前予約をした方は、ポスター下の機会からチケットを発券できます。

上映時間になると、劇場のスタッフがシアター1のドアを開け、92席のこじんまりとしたシアターに案内してくれます。
まうずの感想
さて、実際に映画を見てみての感想です。
美しい映像が多かったです。
紺碧のベイルートの海岸線や海に沈みゆく夕日、建築中の高層ビルの現場から見る景色は息を飲む美しさです。
一方で、シリア人労働者のシーンには変化がほとんどありません。
労働者は日が昇るとエレベーターで持ち場に行き、仕事をこなした後は地下の劣悪な環境の寝床に戻る。
このシーンが繰り返し繰り返し描かれます。
まさに、美しい情景と劣悪な環境の対比がちくちくと胸をえぐってくるのを感じました。
同時に、この居心地の悪さがこの映画の魅力であるとも思いました。
最後に
ニュースや新聞などの報道などでは、センセーショナルな事件や政治の動きにフォーカスが当てられることが多いです。
しかし、紛争の現場や亡命・移民先で暮している人々はどのような暮らしをしているのか知る機会は少ないように思います。
ぜひ、一度この映画の鑑賞を通して、中東地域内で暮らす難民・移民の日常を疑似体験してみてください。
なお、上映期間は劇場によって違うので、一度公式HPの劇場情報をご確認ください。
セメントの記憶公式HP (https://www.sunny-film.com/cementkioku)
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