モロッコの世界遺産9-近代都市と歴史的都市ラバト編-

アラブ文化発信

こんにちは!

10連休が明け、一気に忙しくなった方も多いとおもいます。

また今年の8月は、お盆休みを含めて10連休にすることもできるカレンダーになっているので、夏を目標に仕事や学業を頑張りたいですね!

さて、今回はモロッコの世界遺産紹介の最終回。

ご紹介するのは2012年に世界遺産登録された「近代首都と歴史的都市をあわせもつ遺産ラバト」です!

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ラバトとは?

世界遺産の登録名に「近代首都」とあるように、ラバトはモロッコの首都で、王宮や省庁が立地している政治的な中心地です。

この街の歴史は3つに大きく分けられます。

・ローマ植民市時代

・ムワッヒド朝時代

・フランス保護領時代

まず、この街の起源はローマ帝国時代に遡ります。

ローマ時代のモロッコはマウレタニアと呼ばれ、属州となっていました。

ラバトにはシェラと呼ばれる市が建設され、小規模ながら定住がされていたようです。

次に、歴史上にラバトが登場するのは12世紀から13世紀までです。

ムアッヒド朝のスルタンがラバトに都を移し、現在ハッサンの塔と呼ばれる塔が残っているエリアに広大なモスクを建設が試みられました。

しかし、その後都はフェスやメクネスといった山間部の街に移り、ラバトは低迷してしまいます。

最後に、大きな動きがあるのは、フランスの統治が始まってからになります。

1912年から1930年に、現在の行政区域や王宮、住区が立地している新市街が建設されました。

元々都が置かれていたフェスやメクネス、マラケシュは地方豪族の反対や反体制派の多さから保護領の都としては敬遠されました。

また、カサブランカは保護領化以前から外国勢力の侵入により過密化しており、新たに都を建設するキャパシティはありませんでした。

結果、フェス・メクネスとカサブランカから適度に離れた港街であったラバトが新たな都として選ばれたのです。

ラバト市内の王宮

世界遺産としてのラバト

例によって、世界遺産委員会によって評価されたポイントを解説します。

UNESCOによれば、選出にいたった世界遺産登録の基準は(2)と (4)の2点です。

・基準(ii): ラバトの近代的都市では、都市計画や建造物、公共空間に初期のアラブ・イスラーム文化からの影響が確認できる。そしてそれは、20世紀初頭のヨーロッパ文化の拡散、マグレブ地域での定着を示す一方で、現地の建築や装飾芸術の様式の影響も同時に見ることができる。

・ 基準(iv):この都市は20世紀の首都として近代の都市計画の顕著な事例である。そしてそれは、過去の文化的な規範に配慮しながら機能的なゾーニングを行うことで実現したものである。また、都市における装飾や建築、景観、現在と過去の要素の組み合わせが洗練された都市空間を作り出している。

他の都市の選定基準と比べると抽象的な文言が多くなっています。

これは、ラバト自体が特定の時代に限らない遺産が点在していることに由来していると考えられます。

唯一明確に言及されているのは、20世紀のヨーロッパ式の都市計画の影響です。

ラバトの魅力は20世紀の近代的な都市と特定の時代にとらわれない各時代の遺産であると言えそうです。

ラバトのチェックポイント

広いラバトの中で世界遺産に登録されている見所は市内に点在しています。

そこで、今回もラバトに行ったら必ず抑えるべき3地点をご紹介します。

ハッサンの塔&モハメド5世廟

まず、ハッサンの塔と隣にあるモハメド5世廟です。

この塔は12世紀から13世紀にかけて当初モスクのミナレットとして建設が開始されました。

しかし、ラバトの衰退に伴ってモスク建設が中止され、建設途中の塔と柱の跡のみが現在残っています。

もしこのハッサンの塔が完成していれば、当時のイスラーム世界でも有数の高さのミナレットになっていたと言われています。

また、隣接地には現在のモロッコ王国を建国したモハメド5世と前国王のハッサン2世のお墓が廟の中に設置されています。

ウダイヤのカスバ

次に、おすすめなのはウダイヤのカスバです!

カスバとは、ラバトにおいては城壁のことでムワッヒド朝時代に作られた城壁を基に、17世紀に建造されました。

内部は下の写真のように青と白でペイントされた街が広がっています。

また、ウダイヤからはラバトの街や対岸のサレの街を一望することができます。

近代的な街並み

3つ目は、近代的な街並みです!

首都ということもあり、様々な近代施設が立地しています。

ラバト中央駅から旧市街に向かう大通り沿いには国会議事堂とフランス保護領時代に建てられたアール・ヌーヴォー様式のアパートが立ち並んでいます。

また、トラムに乗って少し郊外に向かうと国立図書館や省庁、大使館が並ぶエリアに行くことができ、エリアによって顔が全く違うことが感じられます。

国立図書館

もちろん上記3つ以外にもローマ帝国時代の遺跡であるシェラや、旧市街など見所は他にもあるので、ぜひ散策を楽しんでみてください!

最後に

これまで全9回にわたりモロッコの世界遺産を紹介してきました。

一口に世界遺産といっても様々な遺産があったことと思います。

さらに、モロッコには世界遺産に登録された街以外にも魅力的な街がたくさんあります。

例えば、青の街として有名なシェフシャウエン、芸術的な壁画で有名なアシラ、モロッコの国際玄関口であるタンジェなど挙げればきりがありません。

モロッコはヨーロッパからのアクセスも大変いいので、ぜひモロッコにも一足伸ばしてみてはいかがでしょうか?

参考文献

・近代的首都と歴史的都市をあわせもつ遺産ラバト  (https://whc.unesco.org/en/list/1058)

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